【レース展望】チャンピオンズC



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 2016年の中央競馬も残り4週。12月第1週は中山、阪神、中京の3場開催となり、GIは中京で日曜に第17回チャンピオンズC(12月4日、ダート1800メートル)が行われる。今年は外国馬の出走はないが、GI馬6頭を含む重賞ウイナー13頭の豪華メンバーが集結。中京開催になって3年目の、年の瀬に繰り広げられる“桶狭間の戦い”は、寒さを吹き飛ばすような熱戦になること間違いなしだ。

 中心はJRAのGI初登場となるアウォーディー(栗東・松永幹夫厩舎、牡6歳)。ダート戦初出走となった昨年9月の1600万下・オークランドレーシングクラブトロフィーから、前走の交流GI・JBCクラシックまで6連勝と快進撃を続けている。前走ではGI馬5頭、ホッコータルマエ、コパノリッキー、サウンドトゥルー、ノンコノユメ、クリソライトを相手に、好位から早めに進出して押し切り、GI初制覇。今回と同じダート1800メートル戦は、3戦3勝と得意にしている。

 これまで、名古屋、船橋、川崎と初コースでも難なくクリアしており、初の中京ダートでも力を存分に発揮できそうだ。母ヘヴンリーロマンスは、松永幹夫調教師が現役時代に騎乗して2005年の天皇賞・秋を制した名牝。引退後の2010年1月にダービー馬ジャングルポケットの子を受胎した状態で海を渡り、米国で出産したのがアウォーディーで、外国産馬として競走馬登録されている。ダートで無傷の7連勝を飾り、母子JRA・GI制覇を果たせるか注目だ。鞍上の武豊騎手は、先週日曜のジャパンCをキタサンブラックで勝っており、2週連続GI勝利の期待がかかる。

 JBCクラシックで2着だったホッコータルマエ(栗東・西浦勝一厩舎、牡7歳)は、一昨年の覇者で、中央、交流合わせてダートGI・10勝を誇る歴戦の猛者だ。前走は川崎の2周目の3コーナーで早々と先頭に躍り出る積極策。アウォーディーには敗れたが、その差はわずかに0秒1で、マークが薄くなりそうな今回は逆転があっても不思議はない。中央でのラストランでGI・11勝目を飾り、12月29日に大井競馬場で行われるラストランの交流GI・東京大賞典(ダート2000メートル)へ堂々と乗り込みたい。

 コパノリッキー(栗東・村山明厩舎、牡6歳)はこのレースでは一昨年12着、昨年は7着で、ともに1番人気に応えられなかった。前走のJBCクラシックは、逃げたホッコータルマエ、早めに仕掛けたアウォーディーとの競り合いに敗れ、後続のサウンドトゥルー、ノンコノユメにも先着を許す5着だった。初の川崎で、適距離より長かった2100メートル、それにスムーズな走りができかったことが敗因だろう。

 今年は、かしわ記念、帝王賞、マイルチャンピオンシップ南部杯を勝ち、ダートGIの勝利数を8まで伸ばしており、自分のリズムでレースができれば、当然V争いの1頭。“3度目の正直”で、このレース初勝利を狙う。なお、今回は3年10カ月ぶりに、クリストフ・ルメール騎手とのコンビ復活となる。

 モーニン(栗東・石坂正厩舎、牡4歳)は、今年のフェブラリーS優勝馬。前走の武蔵野Sは59キロの斤量と、重馬場で前が止まらない流れに泣き、7着と力を出し切れなかった。戸崎圭太騎手と石坂正調教師はレース後、すぐにこの舞台でのリベンジを宣言。JRA・ダートGI完全制覇を狙う。

 逃げ、先行タイプのGI馬4頭が前でやり合う形になれば、末脚自慢の残るGI馬2頭が有利になる。サウンドトゥルー(美浦・高木登厩舎、セン6歳)は、昨年のこのレースでメンバー最速の末脚で追い込み3着に入った。続く東京大賞典では、ホッコータルマエ、ワンダーアキュート、コパノリッキーを撃破し、GI初勝利。今年は5戦して勝ち星なしだが、大崩れはしていないので、ここで復活を遂げても不思議はない。

 ノンコノユメ(美浦・加藤征弘厩舎、セン4歳)は、昨年の交流GI・ジャパンダートダービーを勝っている。今年の帝王賞2着の後に去勢手術。復帰戦の前走JBCクラシックでは、1着のアウォーディーから0秒5差の4着だった。1週前の追い切り後に「言うことを聞かない馬でしたが、すごく穏やかになったね。競馬の反応がすごく良くなった」と、加藤征弘調教師は去勢の効果を口にしていたが、前走はマイナス15キロと体重を大きく減らしていたので、馬体の回復が鍵となりそうだ。名手ライアン・ムーア騎手との初コンビで、並み居る強豪をまとめて差し切ることができるか。

 アウォーディーの半弟(父タピット)、ラニ(栗東・松永幹夫厩舎、牡3歳)も注目できる。UAEダービーを勝った後、米3冠に挑戦し、ケンタッキーダービー9着、プリークネスS5着、ベルモントS3着と健闘。帰国初戦のブラジルC3着はともかく、続く前走のみやこS13着は案外だったが、久々の右回りに戸惑ったのかもしれない。もう少し距離は欲しいが、前崩れの展開になれば侮れない存在だ。

 タガノトネール(栗東・鮫島一歩厩舎、セン6歳)は、前走の武蔵野ステークスを2番手から抜け出して押し切り、1分33秒8のコースレコードで勝利。鞍上の田辺裕信騎手の好騎乗が際立った一戦だったが、昨年の交流GI・マイルCS南部杯と武蔵野Sで続けて2着に入ったように、寒くなると調子を上げるタイプ。ダートでは1700メートルまでしか経験がないので、課題は距離だろう。

 武蔵野Sで2着に入ったゴールドドリーム(栗東・平田修厩舎、牡3歳)も侮れない。初の古馬との対戦だったが、中団からしぶとく脚を伸ばし、2着まで追い上げた。これまでの7戦すべて馬券圏内で、安定感は抜群。ミルコ・デムーロ騎手とのコンビも2戦目で目が離せない。

 みやこSで重賞初制覇を飾ったアポロケンタッキー(栗東・山内研二厩舎、牡4歳)、中京では東海Sを含めて2戦2勝のアスカノロマン(栗東・川村禎彦厩舎、牡5歳)、昨年4着で、横山典弘騎手とのコンビが魅力のロワジャルダン(美浦・戸田博文厩舎、牡5歳)なども上位争いが可能だ。





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