サンスポ競馬
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 ドバイから帰国途中のフライトで、この原稿を書いている。今回の遠征は残念な成績に終わったが、ほぼ思い通りに仕上げられての結果なので、悔いはない。

 まずはジャスティン。スタートでうまく出て、いつもなら勝ちパターンの競馬だったが、レコードで駆けた勝ち馬が速すぎた。着狙いならもっと控える手もあったと思うが、勝ちに行っての結果なので着順は仕方ない。それにしても、今回はスピード不足を痛感した。来年もまたドバイに行きたいので、スピード強化のために芝を使うことを考えている。

 ラヴズオンリーユーは日本の検疫厩舎でやや調子を落としていたが、ドバイ到着後は環境の良さもあって回復が早く、上り調子で出走することができた。惜しい競馬だったし、マーフィー騎手によると、距離が少し長いとの話。次走、香港のクイーンエリザベスIIC(4月25日、シャティン、GI、芝2000メートル)が楽しみだ。今後はドバイに1頭だけ残っての調教になるので、状態の維持が課題になる。

 さて、日本ではコントレイルが大阪杯に出走予定である。自分が留守の間も、すこぶる順調に過ごしていると報告を受けている。ジャパンC後の休養中に背丈が伸びて、馬体に幅も出た。昨年、あれだけ増えずに苦労した体重もようやく20キロほど増えて、パワーアップを実感している。昨年は日本ダービー以降、長めの距離を使わざるを得なかったが、今回は2000メートル。昨秋よりもスピード感を出す調教を意識しているし、馬体減の懸念がないので、攻めの調整ができている。

 レース当日は、帰国後の隔離期間中で臨場がかなわないが、信頼できる馬とスタッフがベストを尽くしてくれると確信している。

 ■矢作 芳人(やはぎ・よしと) 1961(昭和36)年3月20日、東京生まれの60歳。父は大井競馬の矢作和人元調教師。開成高を卒業後、豪州での修業を経て84年に栗東トレセンへ。厩務員、調教助手を経て2005年に厩舎開業。30日現在、JRA通算695勝、JRA重賞47勝(うちGI13勝)。ほかに海外GI2勝、交流GI3勝。


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