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 相変わらずの無観客は寂しいが、調教師、騎手はもちろん厩舎関係者から感染者を出すことなく、競馬が継続されている。出張先の函館では外出や門限など、かなり厳しい規制下に置かれているが、おのおのが自覚ある行動を取り、ボランティアなども行って開催を守っている。改めてみんな競馬が好きなんだなぁと思う。

 そんな函館開催も残り2週間、北海道開催は今年から1週増えた札幌に移る。その札幌開催がどのような状況になるのか? 調教師として、とても心配している。それは札幌開催中の函館競馬場滞在、いわゆる“裏函”が新型コロナウイルスの影響によりなくなったからだ。

 毎年、数多くの札幌競馬出走馬が函館に滞在して調教している。利点は大きく3つある。(1)ウッドチップコースがあること。(2)札幌より涼しくかつ静かで、馬にとって環境がいいこと。(3)札幌と函館の馬房を使い分けできること。先日も「札幌の浅いダートでの調教ではソエが怖いから2歳は連れて行けない」という声を若手調教師から聞いた。自分だけの杞憂(きゆう)に終わればいいが、出走頭数は減少するのではないだろうか!?

 せっかくの馬産地競馬が盛り上がりを欠くだけでなく、そのシワ寄せは必ず他場に及ぶ。新潟や小倉が出走ラッシュとなって除外馬があふれるのではないかと心配している。もう決定事項なのだろうが、道内の発生状況も落ち着いてきた。今からでも変更できないものか? また来年以降については北海道開催充実のため、浦河のBTCを活用する等の議論も必要だと考える。あれだけの素晴らしい施設はもっと有効に使用すべきだ。札幌開催の成功を祈っているし、そのための努力を微力ながら続けていきたいと思う。


■矢作芳人(やはぎ・よしと) 1961(昭和36)年3月20日、東京生まれの59歳。父は大井競馬の矢作和人元調教師。東大合格者を多数輩出する開成高を卒業後、豪州で修業し、84年に栗東トレセンへ。厩務員、調教助手を経て2005年に調教師として厩舎開業。JRA賞は14、16年に最多勝利調教師、19年に最多賞金獲得調教師を獲得。7日現在、JRA通算656勝。JRA重賞は43勝で、うちJRA・GIは日本ダービーの2勝(12年ディープブリランテ、20年コントレイル)など12勝。海外GI勝ちは16年ドバイターフ(リアルスティール)、19年コックスプレート(リスグラシュー)。趣味は競輪、サッカー観戦など。




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