藤田菜七子騎手が14年ぶりの快挙!夏の「名物レース」に参戦の可能性も!JRA16年ぶりの女性騎手の「今」を考察する



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2016年5月16日(月)13時38分配信 ビジネスジャーナル



 JRA(中央競馬会)で16年ぶりの女性騎手となった藤田菜七子騎手が、先週15日の新潟最終レースでJRA通算3勝目を挙げた。

 デビュー当時はニュースやバラエティーでも大きく取り上げられたことで、競馬ファンだけでなく社会的な注目を集めていた藤田騎手。JRA初勝利までに1カ月以上、51戦を費やしたが、デビューから2カ月がたった今、はやくも3勝目を挙げた。まだ通算騎乗が104回であることを考慮すれば、大幅なペースアップだ。一体、何が変わったのだろうか。

 まずは、藤田騎手自身の「成長」だ。

 3月5日のJRAデビューから早2カ月。先述したようにJRAだけで100以上のレースをこなしてきたのだから、もう右も左もわからない新人ではない。その上、藤田騎手は地方競馬にも積極的に遠征していることから、他の新人騎手と比較しても異例の早さで多くの「経験」を積むことができている。

 つまり厳密に言えば藤田騎手自身の成長も然ることながら、単純に「慣れた」ことで自分のポテンシャルをコンスタントに発揮できる土壌ができつつあるようだ。

 また、騎乗仲介者となる「エージェント」を確保したことも大きい。

 藤田騎手を仲介するエージェントは、主に関東所属の騎手と契約している川島康孝氏(元ダービーニュース)。現在は藤田菜七子騎手の他に、所属厩舎の先輩である丸山元気騎手、5年目の原田和真騎手、そして関東のトップ騎手として活躍する柴田大知騎手の仲介を務めている。

 専門記者の話では「川島氏は競馬界で特別に大きな力を持った存在ではない」と聞くが、それでも契約以降の藤田騎手の騎乗馬は「質」「量」ともに伸びており、エージェントと契約した効果は確実に出ているようだ。

 ただ、そこで実は「藤田騎手ならでは」といえる面白い現象が起きている。

 上記で藤田騎手の騎乗馬は「質」「量」ともに伸びていると述べたが、実は「単勝人気」だけで判断すると、エージェントと契約する以前の方が人気馬に乗っている傾向が強いのだ。

 ただ、それはデビュー当時の“菜七子フィーバー”によるもので、藤田騎手の初勝利記念の単勝馬券をゲットしようと狙ったファンが数多くいたため、藤田騎手の騎乗馬は過剰に人気することも多かった影響のようだ。3勝目を挙げ、JRA騎手として板についてきた現在は“菜七子フィーバー”も落ち着きを見せつつあり、藤田騎手の騎乗馬が過剰人気することもなくなった。

 例えば先週、藤田騎手が騎乗して1番人気だったクリノダイシャリンは、過去2戦で藤田騎手が騎乗して連続2着。結果は10着と奮わなかったが、人気して当然の馬だった。3番人気だったスナッチアキスにしても、過去2戦で藤田騎手が騎乗して連続4着と実力と釣り合った人気に収まっている。

「現在、新人王争いは木幡巧也騎手が11勝と大きくリードしていますが、次に勝っているのが4勝の荻野極騎手。菜七子騎手も3勝ですから、同期の男性騎手と互角の勝負をしています。女性騎手のデビュー年の最高勝利数は、牧原由貴子騎手と西原玲奈騎手の9勝。このペースでいけば決して新記録も不可能ではないですし、ぜひとも更新してほしいですね」(競馬記者)

 ちなみに女性騎手のJRA通算最多勝利は、牧原由貴子騎手の34勝。如何に女性騎手が苦戦してきたのかを物語る数字ではあるが、藤田騎手であればその記録も十分に更新できる可能性があるという。前出の記者が語る。

「菜七子騎手の3勝目は新人騎手の斤量の恩恵がない特別戦で挙げたものだけに、その価値は今までの勝利よりも大きいと思います。これも女性騎手としては牧原騎手が勝って以来、14年ぶりの勝利。また、新潟の直線1000mは、馬だけでなく騎手によっても得意不得意の分かれる特殊なコース。そこを勝ち切ったことは、今後に大きなプラスになるでしょうし、もしかしたら夏の名物アイビスサマーダッシュ(G3)で、直線競馬のセンスを見込まれて騎乗の依頼があるかもしれません」(競馬記者)

 アイビスサマーダッシュといえば、とにかく斤量の軽い牝馬が勝ちまくっているレース。もしかしたら、馬だけでなく「騎手」も女性の方が強いかもしれない?
(文=浅井宗次郎)






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