【愛知杯】柴田善&デンコウアンジュ円熟V 現役最年長と32戦目7歳牝馬が魅せた



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 「愛知杯・G3」(18日、小倉)

 雨の小倉。分厚い雲に覆われて日差しは届かない。だが、大ベテランの放つ、いぶし銀の光はしっかりと輝いて見えた。この日、32戦目を迎えていた7歳牝馬デンコウアンジュと53歳の現役最年長ジョッキー・柴田善。経験という武器を持つ熟年ペアが、泥だらけになりながら信じた末脚を突き刺す。7番手で4角をカーブするとインに潜り込り、先に抜け出していたライバルたちをパス。9番人気も何のその、歓喜のゴールへ飛び込んでスタンドを沸かせた。

 「うれしいですね。返し馬が終わって輪乗りをしている時に、いつもと雰囲気が違うと感じました。シャンシャン歩いていて、若々しかったんです」と、重賞95勝目を挙げた鞍上は優勝インタビューで笑みをこぼした。騎手生活36年目。年輪を重ねる中で培ってきた直感が現実になった。「4コーナーを回る時の手応えがとても良かったので、あとはさばき次第だと。これからも馬の力を借りながら、できる限り頑張っていきます」と決意表明で締めた。

 小倉で初の重賞ゲットに成功した柴田善は、史上6人目となるJRA全10場重賞制覇に向けて函館を残すのみに。記憶に残る1勝を手にして、偉業達成に加速がついた。


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