サトノダイヤモンド追い風か理想的馬場に/凱旋門賞



日刊スポーツ
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[2017年09月29日 08時12分]



 【シャンティイ(フランス)=太田尚樹】日本代表サトノダイヤモンド(牡4、池江)が「地の利」を得そうだ。2日後に迫った凱旋門賞(G1、芝2400メートル、10月1日)が開催されるシャンティイ競馬場に太田記者が“潜入”。実際に芝2400メートルのコースを歩き「数字以上の馬場」を実感した。当日の天気も回復傾向で、硬すぎず軟らかすぎない理想的な馬場になる可能性が高まってきた。


 シャンティイの芝を踏んだ1歩目で意外な驚きがあった。「えっ?」。思った以上に硬い。この日朝のペネトロメーターの数値は3・5で、日本なら重馬場に該当すると聞いていた。だが、僕の足裏の感覚では良馬場。ぬかるんだ感じは皆無で、靴にも泥はつかない。なぜ・・・?


 要因は朝露にありそうだ。シャンティイではパリ以上に日中の気温差が大きく、早朝は大量の露が地面を湿らせる。サトノダイヤモンドが追い切られた27日の早朝にエーグル調教場の芝コースを歩いたが、しばらく雨が降っていないはずなのに、靴がグチョグチョになるほどに浸水してきた。馬場の数値を計測したのは最も湿っている早朝で、シャンティイ競馬場を取材したのはちょうど凱旋門賞発走時刻(現地午後4時5分)のころ。日中に乾いたということだ。ルクールグランメゾン場長補佐は「朝は露の影響があって湿るけど、競馬場は水はけも良く乾きやすい」と説明する。


 発表される馬場状態は、必ずしも正確ではない。日本では競馬開催中に馬場状態が変わればすぐに情報が提供されるが、フランスでは1R前の発表後はよほどのことがない限り変更されないという。フォワ賞当日も発表はやや重だったが、開催が進むにつれて馬場が荒れ、7Rの同レースでは馬が走るたびに芝が掘れて後方へ飛んでいた。ルメール騎手も池江師も「発表より悪かった」と証言する。


 良化しても発表はされないが、雨さえ降らなければ発走時刻には回復する。つまり、もし仮に凱旋門賞当日の馬場発表が悪くても“隠れ良馬場”が実現する可能性はある。池江師は「雨がなくても朝露で湿るけど、日照や風があれば乾いてくれる。みんなでうちわであおぐとか・・・」と冗談交じりに期待を口にした。アキュウェザー社による降水確率では、僕が作ったてるてる坊主の効果なのか、25日時点の69%から28日時点で35%まで低下。希望の光は少しずつ見えてきている。


 ◆フランスの馬場状態 円すい形の測量機器(ペネトロメーター)で地盤の硬さを測定し、10段階に区分する。数値が3.0~3.2で、10段階で4番目の「GOOD」が理想とされている。10日のフォワ賞は3.7で6番目の「SOFT」だった。


<シャンティイ競馬場>


 ◆概要 1834年開設。パリの北約50キロにあり、シャンティイ城に隣接する。毎年春に仏ダービー(ジョッケクルブ賞)と仏オークス(ディアヌ賞)が行われる。凱旋門賞の開催は昨年に続き2度目。右回りで、芝コースに加えて2011年にオールウエザーコースを新設した。施行距離は1000~4800メートル。


 ◆芝2400メートルコース 1コーナー奥の引き込み線からスタートし、スタート直後に緩やかな左カーブがあるのが特徴。高低差は約10メートル。3コーナー(残り1000~800メートル付近)で一気に下って、4コーナーから残り250メートル付近まで緩やかな上り坂となる。レコードはファウンド(16年凱旋門賞)の2分23秒61。


 ◆凱旋門賞仕様 フォワ賞後は競馬開催がなく、今週は土日の開催。土曜は向正面から直線にかけて内ラチから12メートル外に仮柵が設置され、夜に取り除かれる。内ラチ沿いの幅12メートルが“グリーンベルト”となる。芝丈は10センチで日本より短い。


<凱旋門賞の買い方>


 ◆購入方法 インターネット投票(A-PAT、即PAT)のみ。


 ◆発売 日本時間10月1日(日)の午前10時~発走(午後11時5分)の4分前。


 ◆種類 単勝、複勝、馬連、ワイド、馬単、3連複、3連単の7種類。


 ◆オッズ JRAの売り上げによる独自のもの。





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