【小倉2歳S】レース展望



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 6週間にわたる夏の小倉開催も、いよいよ最終週。そのラストウイークを飾るのは、第37回小倉2歳ステークス(9月3日、GIII、芝1200メートル)だ。昨年の優勝馬レーヌミノルは、ご存じの通り今年の桜花賞馬に輝いた。2001年以降、タムロチェリー(阪神JF)、メイショウボーラー(フェブラリーS)、アストンマーチャン(スプリンターズS)がこのレースを勝った後にGI馬へと出世したが、クラシック馬が登場したことで改めて注目される。

 ステップレースに位置付けられているフェニックス賞の勝ち馬ゴールドクイーンは不在。同2着のレグルドールも九州産限定のひまわり賞(1着)に回ったため、力量比較の難しい顔触れとなった。素質と体調がかみ合った馬にチャンスが訪れそうだ。

 今回と同じ小倉芝1200メートルの経験馬が大半を占めるだけに、持ち時計は重要なファクターとなる。その点でいくとモズスーパーフレア(栗東・音無秀孝厩舎、牝)が一歩リードしている印象だ。スムーズな先行策から1分8秒5の好タイムでデビュー勝ち。米国産馬で、父スパイツタウンからは昨年の全日本2歳優駿勝ち馬でNHKマイルC2着のリエノテソーロが出ている。むきになって走るタイプでもなく、控えても競馬はできそう。無傷のV2を飾る可能性は十分にある。

 音無厩舎は3頭出しの布陣。3戦目で4馬身差の圧勝劇を演じたアサクサゲンキ(牡)も見逃せない。こちらも米国産馬で初戦はダートを使われたものの、逃げて4着に失速。芝に転じて2、1着と好結果を残した。タイム(1分8秒8)も評価できるもので、キャリア3戦の経験を生かすことができれば、僚馬を破ることも可能だろう。今回は武豊騎手とのコンビで臨む。もう一頭の音無勢はイイコトズクシ(牡)。フェニックス賞は後手に回って5着と敗れたが、スムーズに立ち回れれば巻き返しの余地はある。

 今回のメンバーでフェニックス賞最先着だったのがアイアンクロー(栗東・斉藤崇史厩舎、牡)。初戦はスローペースを好位から進出して勝ち、前走は中団からじわじわと伸びた。この時期の2歳馬にしては、レースぶりに自在性がある点が強みだ。今回は浜中俊騎手に乗り替わるが、同レース4勝は歴代単独最多勝。自身の記録をさらに伸ばすことも大いに考えられる。

 新種牡馬ノヴェリスト産駒として注目されるのがヴァイザー(栗東・高橋亮厩舎、牡)だ。6月1週目の阪神で勝ち上がった後はひと息入っているが、ここに向けて乗り込みを消化。快速馬ジューヌエコールのいとこにあたり、スピードの絶対値はかなりのものがある。父に初タイトルをプレゼントするシーンもありそうだ。

 注目度という点では、やはり関東馬フローラルシトラス(美浦・武井亮厩舎、牝)が最右翼だろう。鞍上、藤田菜七子騎手にはデビュー2年目での重賞初Vがかかっている。新馬戦は果敢に逃げて4着に終わったものの、千直に舞台を移した前走は3馬身差の楽勝。父キンシャサノキセキ譲りの非凡なスピードを発揮した。父の産駒は一昨年にシュウジ、サイモンゼーレがワンツーフィニッシュを決めており、舞台適性は十分。小倉への輸送後に小柄な馬体を維持できていれば、女性騎手として初のJRA平地重賞制覇という快挙も夢ではない。

 他では、勝ちタイム以上にレースぶりの余裕を感じさせたスーサンドン(栗東・岩元市三厩舎、牡)、典型的なスピード血統で完成度が高いシトリカ(栗東・牧浦充徳厩舎、牝)、新潟1400メートル戦の勝ち方が目を引いたルリハリ(美浦・萱野浩二厩舎、牝)などにも注意を払っておきたい。





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