ラストウイーク菅原泰夫師直撃インタビュー



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 偉大なホースマンが今週、定年のためターフを去る。美浦の菅原泰夫調教師(70)は騎手時代、75年に牡馬カブラヤオーと牝馬テスコガビーで史上初の春クラシック4冠(桜花賞、皐月賞、オークス、ダービー)完全Vを果たすなど“勝負師”の異名で活躍した。ジョッキー&トレーナーとして53年を競馬に捧げた“泰さん”に、今の思いを聞いた。

 --今週で定年、厩舎は解散になる

 菅原泰夫調教師「特別な感慨とかはまだないね。管理馬を無事に送り出すだけ。最後までコツコツだよ」

 --競馬の世界に身を投じたのが1960年。騎手を目指し、宮城県から単身で上京した

 「実家がアラブ馬を生産していて、馬は好きだったし、体が小さいから親父に『騎手をやれ』と言われてね。ただ、まだ14歳。何で親元を離れなきゃいけないのかと思っていた」

 --64年デビューで転機となったのは75年。桜花賞のテスコガビーでクラシック初制覇。オークスも制した

 「口笛を吹きながら乗って勝てたねえ、あの馬は。スピードが全然違うし、すごく乗りやすかった」

 --牡馬はカブラヤオーで2冠を圧勝。ダービーの逃げ切りは伝説だ

 「距離が大丈夫とか、そういう心配は自分では一切なかった。ああいう(逃げる)乗り方が一番合うと思って競馬して、実際にそうだったと思うけど、それも全部、それだけ強い馬だからできたこと。普通の馬なら3コーナーでつぶれてるよ」

 --同一年の牡牝4冠完全制覇は史上初だった

 「4つすべてを勝てたのは、最初の桜花賞で勝てて気が楽になれたからだね。もし順番が違っていたらどうだったか、自分でも分からない」

 --そのあとは81&82年の菊花賞連覇(ミナガワマンナ、ホリスキー)などを果たし、92年に騎手を引退。調教師として唯一の平地重賞制覇は2010年の中山記念のトーセンクラウンだった

 「お世話になっている馬主さんだし、うれしかった。調教師は自分で馬を仕入れて、それを仕上げて走らせて初めて喜びがある。最近はそれも少なくなっているのかな」

 --13番人気ながら5馬身差の圧勝

 「馬場状態(不良)とかいろいろな運が向いたと思う。競馬で勝つというのはそういうこと。どのレースでも同じだよ」

 --ラストウイークも期待の“トーセン”がスタンバイ

 「ラーク(26日中山・富里特別)は順調に仕上がって力は出せるから、あとは相手関係だね。初障害のペンタゴン(26日阪神4R)は(以前厩舎に所属していた)五十嵐が乗ってくれるし、面白いと思うよ。とにかくどの馬も、無事に走ってきてほしいね」

 ■菅原泰夫(すがわら・やすお) 1946年4月1日生まれ。宮城県出身。64年に茂木為二郎厩舎所属で騎手デビュー。75年の4冠完全制覇などGI級7勝を含む769勝をあげ92年に引退し、翌年に厩舎を開業。JRA通算248勝(先週終了時点)。

★その他の定年調教師と引退騎手

 菅原泰夫調教師と同じく今週限りで70歳定年を迎えるのが、美浦の成島英春調教師と栗東の長浜博之調教師。成島師はJRA賞通算147勝、長浜師は00年ダービー(アグネスフライト)など同523勝している。また栗東の坪憲章調教師は65歳で勇退、92年朝日杯3歳S(エルウェーウィン)などで同375勝をあげている。

 ジョッキーでは調教師への転向に伴い、栗東の武幸四郎(38)、美浦の田中博康(31)が引退。武騎手は25日の阪神11RアーリントンCのミラアイトーンなど土、日とも阪神で騎乗し、26日の最終レース終了後には引退式が行われる。田中騎手は25日の水仙賞のマッシュクールなど中山での騎乗を予定している。(夕刊フジ)





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