中国にも苦戦 侍J、WBC予選敗退悪夢シナリオの現実味



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2017年02月15日 16時00分 NEWSポストセブン



 野球の日本代表・侍ジャパンはWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)でベスト4を下回る成績に終わったことはない。ところが、3月に開幕を控えている今回、投打の軸と期待された大谷翔平(22)の欠場など、小久保裕紀監督(45)率いる侍ジャパンの行く末が危ぶまれている。本来なら、北中米の強豪とぶつかる米国・ロサンゼルスでの準決勝以上(3月20~22日)が一番の勝負どころとなるはずだ。

 しかし、大谷翔平(22、日本ハム)のいない侍ジャパンでは、“予選”ともいえる、東京での1次ラウンド(3月7~11日)、2次ラウンド(3月12~16日)での敗退もあるとみる専門家も少なくない。

 プロ野球データに詳しいジャーナリスト・広尾晃氏の指摘は手厳しい。

「1次ラウンドでぶつかるキューバの野球シーズンは秋から春まで。今回はWBCのため国内のシーズンを中断して来日してきます。バットは振れるし、肩は出来上がっている。開幕前の日本選手と違ってキューバの戦力はピークにある。また、キューバの翌日に当たるオーストラリアも侮れません。南半球の国ですからシーズン真っ只中で、調整遅れの心配はない」

“アマチュア最強軍団”キューバはこれまでも強敵ではあったが、さらに今回の侍ジャパンは、“野球後進国”と思われてきた中国にも苦戦する可能性があるという。

「同じ1次ラウンドのプールBに入った中国は、今回MLBマリナーズを率いてきたマクラーレン監督が代表監督に就任。MLB通算82勝左腕のブルース・チェン(元ロイヤルズ)と、カージナルスの正捕手を務めるコルテン・ウォン、他にも現役メジャーリーガーが名を連ねる“史上最強”のメンバーです」(同前)

 そうした1次ラウンドの相手を破ったとしても、2次ラウンドでは、一昨年のプレミア12で優勝した宿敵・韓国が待ち受ける。MLBでプレーしているメンバーはストッパーの呉昇桓(オスンファン、カージナルス、元阪神)だけとはいえ、日本が相手となると実力以上の力を発揮するのは誰もが知るところだ。

“予選敗退”という悪夢のシナリオには、十分に現実味があるとみられているのだ。

 あまり指摘されていないことだが、打者・大谷の不在も大きい。

「昨年秋の侍ジャパン強化試合で分かったことは、大谷以外の選手はみな一様にWBC使用球に悪戦苦闘していたということなんです。日本のプロ野球公式球はバットの芯を外しても飛ぶんですが、WBC球はそうはいかない。それを大谷は苦にせず、衝撃的な東京ドームの天井直撃弾(記録は二塁打)などで世界の度肝を抜きました。

 大谷の二刀流を存分に活かすため、小久保監督ではなく、日本ハムの栗山英樹・監督(55)に指揮を執ってもらうべきだという意見まで出たくらいです」(NPB関係者)

 そうした証言からは、小久保監督への“不信”も浮き彫りになる。日本ハム側が欠場の判断をするギリギリまで代表チーム側と情報共有していなかったことも、小久保ジャパンの求心力のなさを示しているといえよう。

「一昨年のプレミア12の準決勝で韓国相手に屈辱の逆転負けを喫したゲームに象徴される統率力のなさがチームの最大の不安要素です。あの試合も、則本昴大(26、楽天)を中継ぎに使い、調子の上がらなかった松井裕樹(21、楽天)の抑えにこだわった末の大量失点でした。これ以降、監督経験がなかった小久保監督の采配が疑問視され続けている」(NPB担当記者)

 このような背景があったからこそ、“大谷で勝負するなら、勝っても負けても誰も文句はいわないだろう”という志向でのチームづくりが進み、欠場による今の窮地が生まれているのではないか。

※週刊ポスト2017年2月24日号





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